下肢静脈瘤、レーザー治療についてこれまでに寄せられた質問をまとめてみました。
当クリニックの治療方針によって、回答しています。治療を受けられる病院によって状況は異なります。
必ず治療を受けられる医師にご相談ください。
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下肢静脈瘤のエコー検査の際、両方が悪いので検査してほしいといったところ、保険では片足づつしかできないといわれましたが、本当ですか?
現在妊娠中なのですが、両内腿に静脈瘤が出来、対処方法をどうしようかと思っております。 弾性ストッキングについてですが、太腿に出来た場合でも膝下から足先までのストッキングで宜しいのでしょうか。また、40hPa以上で無いと効果がないとのことですが、そうなのでしょうか。 何かしらよきアドバイスがありましたら宜しくお願い致します。
妊娠中に静脈瘤が出来ることは比較的よく見られます。
これは女性ホルモンの影響で、静脈壁が拡張しやすくなることや大きくなった子宮で下大静脈が圧迫され足の静脈の働きが悪くなることが挙げられます。
出産後に静脈瘤が治ることも多いので、妊娠中は基本的には静脈瘤に対する積極的治療は行わず、弾性ストッキングによる治療が優先されます。
太ももまで静脈瘤がある場合は、太ももまで圧迫できたほうがいいと思いますが、弾性ストッキングは足首がもっとも強くて上に行くほど弱くなっている構造ですので、太ももの部分の圧迫効果はかなり弱くなります。
圧は40hPaのものでないと効果がないわけではなく、それ以下のものでも効果は期待できます。
足にはほとんどコブはありませんが、足がかゆくて、皮膚の色が黒っぽくなっています。静脈瘤によるものでしょうか?
一日中立ち仕事をしていると足がパンパンになってつらいのですが、静脈瘤と関係があるのでしょうか?
手の静脈瘤ができてだんだん大きくなってきますが、破裂して出血することはありませんか?
1年ぐらい前から静脈瘤が気になっています。膝裏を中心に気になっています。 夏は痛いです(自制内です)。皆は気にし過ぎと言いますが実際、悪化しつつあると思います。病院で、足のエコーも撮って頂きました。今の所は大丈夫と言われました。膝裏などは気にならなかったら様子見てくださいと言われました。 仕事は立ち仕事です。先のことを考えると不安です。
二十歳代から両足ふくらはぎに静脈瘤があり、外観上の進行は無く、自覚症状も、たまに右足のふくらはぎに就寝中けいれんを起こすことがあるくらいです。 二週間前、ラジオ体操中右下腿に絡んでいた紐が解け、ピンと張ったような衝撃をうけまもなく皮膚に内出血が始まり、ふくらはぎ1/3まで広がりました。診療所で見てもらったところ、静脈が切れたが特に治療はいらないとの診断でした。現在、出血が始まったところから血は吸収され、軽い痛みだけになっています。質問ですが、1.切れた静脈は、回復しても切れやすいでしょうか。運動しても問題ないでしょうか。また、根本的に治療が必要ですか、2.たまに起こす右足の痙攣は関係がありますか。 3.ふくらはぎの静脈瘤もこの静脈が切れたのと関係ありますか。 4.両足ふくらはぎの静脈瘤は切除したほうが良いでしょうか。
静脈が切れた(あるいは静脈瘤が破れた)可能性があるものと推察されます。静脈瘤は皮下にあるので、破れると皮下出血(暗紫色)になりますが、2−3週間程度で自然に吸収され軽快いたします。皮下出血自体は特に治療がいらないことが多いのですが、静脈瘤が多数あると繰り返す可能性があります。繰り返しているうちに皮膚に色素沈着(色がこげ茶色から黒色)になる可能性もありそうなると治療が必要となります。
運動に関しては皮下出血が収まり、痛みもなくなれば開始しても良いと思います。
足かつりやすいというのは静脈瘤の症状ですので、ひどいようであれば治療をしたほうがよいでしょう。治療すればつる症状は良くなることが多いです。
静脈瘤は、治療の前によく診断することが大切です。不完全な治療ですと、うまく治らなかったり、再発したりします。
治療についてはいろいろな方法がありますが、レーザー治療という新しい治療は、体に大変負担の少ない治療です。
この方法は手術中や術後の痛みも大変少なく、仕事にもすぐに復帰できるとても良い方法です。ふくらはぎの静脈瘤と今回問題のあった静脈が関係あるかどうかは実際に見てみないとはっきりしたことはいえませんが、ふくらはぎ(足の後ろですか?)と膝の下の血管とは関係があることが多いと思います。
出血を繰り返すようでしたら、静脈瘤の専門医を受診することをお勧めします。
84歳の男性の方についての質問です。3〜4年前に両足の血管が浮き出て、静脈瘤と言われたそうです。その後、サポートタイプの靴下を履いたり、寝る時は足を高くしたり、毎日下から上方向へ押し上げるようにマッサージしたり・・・と、いろいろ努力されたようです。 その甲斐あってか現在は血管も浮き出ておらず、素人目には特に問題ないように見えます。もう、そのような状態が1年以上経過したようです。 本人は静脈瘤が治ったつもりで、足の挙上やストッキングをやめたいようです。このまま特に治療を受けずにいても大丈夫でしょうか?
静脈瘤の患者様の介護についてのご質問ですが、84歳とご高齢ですので、ある程度静脈瘤が足に出ているかたは多くいらっしゃいます。
静脈瘤の治療(下肢の挙上なども含めて)が必要な場合というのは、静脈瘤による症状(足が重い、だるい、痛い、つりやすい、皮膚の色が変わってきている、潰瘍がある、かゆいなど)がある場合です。それ以外で、静脈瘤があっても症状がない場合は特に弾性ストッキングなどの治療は必要ありません(特に高齢の方の場合は動脈硬化が強い可能性があるため弾性ストッキングを着用することが危険なことがあります。)
現在静脈瘤が全く見えなくて、皮膚の状態に問題ないようでしたら(色が黒くなっていない、むくみなどがないなど)特に足を挙げて休まなくてはいけないことはありません。
下腿にアザのような跡があり下肢静脈瘤と診断され、病院で4ヶ所を縛る手術を行いました。その後足のアザのような跡は消えずに、硬化療法を3回受けましたが、アザは消えないところか、増えたような気がします。 再度、治療を行った病院で診察しても、また硬化療法による注射をするだけだと思いますが・・・ このままでいいのでしょうか?
ご相談の件ですが、いくつかの理由が考えられます。
下腿のあざが静脈瘤によるものではない場合あざの原因は多数あるので、静脈瘤(正確には静脈逆流)によるものではない場合も当然あります。
もし、超音波検査や空気容積脈波といった検査をうけていなければ、静脈瘤によるものではない可能性も十分考えられます。この場合は、静脈瘤に対する治療をいくら続けても症状の改善は得られません。静脈瘤が原因だが、適切な治療ではない場合これも原因として考えられます。
静脈逆流を起こす原因には、大伏在静脈(太ももの内側から足首にかけて)と小伏在静脈(ふくらはぎの裏側の血管)、不全交通枝(足全体いたるところ)、深部静脈があります。(詳しくは下肢静脈瘤とはどんな病気?をご覧ください)
おそらく治療を受けられたのは大伏在静脈ではないかと思います。適切に血管を縛っている場合は治るはずです。治らない場合は、縛った血管が適切でない可能性があるので、残りの静脈を良く調べなければなりません。これには超音波検査が有効です。多くの場合治療ができますが、深部静脈が原因の場合は、圧迫療法というストッキングによる治療が主体となります。
いずれにしても、硬化療法自体にも危険はありますので、硬化療法を頻回に繰り返す前に詳しい検査を受けることをお勧めします。
この1週間前からフクラハギが張って固くなった感じで、歩くと痛いほどではないが、違和感がありました。近くの病院で静脈瘤によるものかもしれないといわれましたが、そうでしょうか? 静脈瘤による症状の一つに足がつりやすいというものがあります。特に夜間につりやすくなります。静脈血というのは、老廃物を多数含む血液ですので、足の筋肉が常につかれやすくなってしまいます。ふくらはぎがよくつるかたは静脈逆流が存在している可能性があります。 足の甲にぶよぶよした、直径4〜5センチのコブが急にできました。足首から下が、紫色になって、皮がはち切れそうに腫れています。皮膚に触れただけで、ビリビリした、かなり強い痛みがあります。水をそっとかけても痛みます。 整形外科で診てもらったんですが、レントゲンや血液検査に異常がみられません。静脈瘤による症状でしょうか?
足の甲のコブの痛みがひどくてお困りのご様子ですが、静脈瘤も足の甲にできることはあります。静脈瘤は普通急にできることはありませんので、現在あるコブが静脈瘤かどうか不明です。専門にしている先生だと見ただけで静脈瘤かどうか判定していただけます。
ただ、静脈瘤がひどく痛む場合は、血栓性静脈炎を起こしたときで、それ以外にはあまり痛みがありません。また、深部静脈血栓症といって足の奥にある血管が詰まることもあるのですが、その場合は、下腿全体が腫れて痛くなります。
足首から下だけが腫れているご様子ですので、深部静脈血栓症は少し考えにくいとは思います。こういった血管性の病気が疑われる場合、レントゲンや血液検査はあまり有効な検査手段とはいえません。超音波検査を受けられるとよくわかりますので、痛みが強いようでしたらぜひ血管外科を専門としている先生に見てもらうといいと思います。