こうち静脈ケアクリニックの診療内容と治療実績

主な診療内容

こうち静脈ケアクリニックは、高知県高知市にある下肢静脈瘤(日帰りレーザー治療)専門クリニックです 。主に足の静脈瘤に対する専門診療を行っており、最新の内視鏡下レーザー治療を中心に、患者さんの状態に応じて高周波治療や硬化療法など複数の治療法を提供しています 。以下に主要な治療法をまとめます:

• 内視鏡下レーザー治療(EVLT):皮膚を切開することなく、直径1mm未満の細いレーザーファイバーを逆流のある静脈内に挿入し、レーザー光で血管内側から焼灼して静脈を閉塞させる治療法です 。従来のストリッピング手術(静脈を抜き取る手術)とは異なり、大きな傷跡も残らず身体への負担が少ない最新治療です 。当クリニックでは保険適用となった1470nmレーザー装置を用いてこの治療を行っています(後述) 。

• 高周波治療(ラジオ波カテーテル治療):カテーテルを静脈内に挿入し、高周波エネルギーによる熱で血管を内側から閉塞させる治療法です。レーザー治療と同様にカテーテル挿入口となる小さな切開のみで治療が完了し、ストリッピング手術に比べ侵襲が少ないのが特徴です 。レーザーが適さない場合や患者さんの状態によっては、高周波治療器を用いた治療も選択肢となります 。

• 硬化療法(硬化剤注射):比較的軽症の静脈瘤や、血管の蛇行が強い静脈瘤に対して行われる治療法です 。静脈瘤に硬化剤(医薬品:ポリドカスクレロール0.5~3%)を直接注射し、血管の内壁を炎症・線維化させて閉塞させます 。メスを使わないため身体への負担が軽く繰り返し治療が可能ですが、レーザーに比べ効果が不確実で再発しやすい点や、治療後に色素沈着やしこりが残る可能性などの注意点があります 。主に小さめの静脈瘤や再発静脈瘤、さらに網目状・クモの巣状静脈瘤(細かな静脈瘤)の治療に適しています 。

• 圧迫療法(弾性ストッキングによる保存療法):下肢を着圧ストッキングで圧迫することで血液のうっ滞を軽減し、静脈瘤による症状(むくみ・だるさ・痛みなど)を和らげる保存的治療です。静脈瘤による足の不快症状は弾性ストッキング着用で改善することが多いため 、症状の軽い患者さんにはまず圧迫療法を提案する場合があります 。レーザーや硬化療法を行った後の術後管理として用いることもあります(※当クリニックでは1470nmレーザー導入により術後の長期着用は不要になる傾向です )。

以上のように、こうち静脈ケアクリニックでは患者一人ひとりの静脈瘤の程度や状態に合わせて最適な治療法を選択し提供しています 。

治療の特徴

こうち静脈ケアクリニックで行われる下肢静脈瘤治療には、以下のような特徴があります:

• 日帰り手術(外来治療):診察からレーザー治療までを約4時間程度で行い、その日のうちにすべて終了できる体制をとっています  。朝に来院すれば夕方までに治療が完了し、入院は不要です。週末に治療を受けてゆっくり休み、翌週から通常通り勤務や日常生活に復帰することも可能なため、多忙な方でも治療を受けやすくなっています 。

• 全身麻酔不要(痛みの少ない治療):レーザー治療は局所麻酔のみで実施可能であり、従来必要だった全身麻酔や腰椎麻酔は不要です 。当クリニックでは特に痛みの少ないTLA局所麻酔法(膨潤麻酔)を採用しており、手術中に強い痛みを感じることはほとんどありません 。鎮静剤や神経ブロックも使用せずに安全に治療できる高度な技術を確立しており、麻酔による身体への負担やリスクを最低限に抑えています 。

• 侵襲が小さくダウンタイムが短い:レーザー・高周波治療はいずれもカテーテルによる低侵襲治療であり、足にメスを入れて静脈を抜去するような操作がありません 。そのため術後の痛みや皮下出血も少なく、回復が早いのが利点です。 特に同院で導入している1470nmレーザー治療では従来型(980nm)のレーザーに比べ術後の疼痛や内出血が著しく軽減し、治療後の弾性ストッキング着用が不要になるほど快適な治療が可能となっています 。術後の長期安静も不要で、治療当日から歩行可能、日常生活への支障も最小限に抑えられます。

• 迅速な社会復帰:上記のように術後の回復が早いため、治療後は早期に通常の生活へ復帰できます 。大掛かりな手術ではありませんので、仕事や家事で忙しい方でもスケジュールを調整しやすく、身体への負担が少ない日帰り手術として全国から患者さんが治療に訪れています(※遠方の患者さん向けに即日治療(初診当日の検査・手術実施)にも対応 )。

• 丁寧な診察と完全予約制:院長の海外での臨床経験から、質の高い医療を提供するには一人ひとりの患者に十分な診察時間をかけることが重要だとされています 。そのため当クリニックでは完全予約制をとり、初診から検査・治療の説明までじっくり時間を確保して丁寧に対応しています 。治療前にはエコー検査などでどの血管を治療すればどの程度静脈逆流を減らせるかを詳細に検討し、患者さんに分かりやすく説明するよう心掛けています 。十分なインフォームドコンセントの下で最適な治療法を提案してくれる体制が整っています。

以上の特徴から、こうち静脈ケアクリニックの静脈瘤治療は体に優しく、安心して受けられる先進的な日帰り治療であると言えます 。

治療実績と医師紹介

こうち静脈ケアクリニックは豊富な治療実績と経験を有しています。特に下肢静脈瘤レーザー治療の分野で国内をリードする存在です。以下に主な実績と担当医師のプロフィールをまとめます:

• 累計治療症例数:開院以来の下肢静脈瘤レーザー治療総症例数は14,000例以上にのぼります 。レーザー治療のパイオニアとして19年以上にわたり治療法の改良と症例の蓄積を続けており 、非常に多くの患者が同クリニックで治療を受けています。

• 年間症例数:直近では令和6年度(2024年)だけで1,489例の下肢静脈瘤レーザー治療を行った実績があります 。1年間で約1500件前後という症例数は、この領域における専門施設として国内でもトップクラスの規模と言えます。

• 担当医師(院長):治療を担当するのは小田 勝志(おだ かつし)医師です。小田院長は心臓血管外科が専門の医学博士であり、2002年3月に日本初となる下肢静脈瘤に対するレーザー治療を高知医科大学(現高知大学医学部)で実施した実績を持つ医師です 。以来20年以上にわたりカナダ・米国・ヨーロッパなど海外各国の最新レーザー治療技術を積極的に取り入れており、国内最多クラスの症例数を治療してきた下肢静脈瘤レーザー治療の第一人者です  。

• 医師の資格・経歴:小田院長は下肢静脈瘤治療において卓越した資格・役職を多数有しています。具体的には、日本外科学会専門医(外科のボード認定医)であり、日本静脈学会評議員ならびに日本脈管学会評議員を務めるなど学会活動にも積極的に参画しています 。さらに、下肢静脈瘤レーザー治療の実施医および指導医の資格を有し、他院の医師に対する指導的立場も担っています 。これらの経歴は、同院の医師が静脈瘤治療の専門知識・技術において国内でも指折りのエキスパートであることを示しています。

導入されている医療機器・先進技術

こうち静脈ケアクリニックでは、質の高い静脈瘤治療を支えるために最新の医療機器や技術を導入しています。主な機器・技術とその特徴は以下のとおりです:

• 1470nm半導体レーザー装置:下肢静脈瘤の内視鏡下レーザー焼灼術(EVLT)に使用される最新鋭のレーザー機器です。日本では平成26年度(2014年)より保険適用となった波長1470nmのレーザーを導入しており、従来用いられていた980nmレーザーに比べて術後の痛みや皮下出血を大幅に軽減し、回復を早めることができます 。この高性能レーザーにより静脈逆流の治療効果が非常に高く、治療後の圧迫療法(ストッキング)も短期間で済むなど患者さんの負担軽減につながっています 。

• 高周波(RF)治療器:静脈内にカテーテルを挿入して高周波エネルギーで血管を閉塞させる装置です。レーザー治療と並ぶ下肢静脈瘤のカテーテル治療機器であり、一次性下肢静脈瘤(原発性の静脈瘤)に対する治療に用いられます 。施術時の傷口はカテーテル挿入用のごく小さな開口部のみで済み、レーザーと同様に低侵襲かつ効果的な治療を可能にします 。患者の状態によってレーザーと使い分けることで、より安全で確実な治療結果を目指しています。

• 超音波検査装置(エコー):下肢静脈瘤の診療に欠かせない超音波ドップラー検査のための装置です。静脈の形態や血流の逆流箇所・程度を正確に評価するために用いられます 。最新のエコー診断により静脈瘤の状態を詳細に把握し、治療計画の立案や効果測定を的確に行います 。非侵襲的で痛みのない検査法であり、従来の造影剤を使う静脈造影に代わって現在最も重要視される検査となっています(異常が疑われる場合のみ造影検査やCTを追加する方針) 。

• TLA局所麻酔法(膨潤麻酔):Tumescence Local Anesthesiaの略で、下肢静脈瘤のカテーテル治療に適した特殊な局所麻酔手技です。生理食塩水と少量の麻酔薬を患部周囲にたっぷりと注入することで患部を膨らませ、術野を明瞭にするとともに痛覚を遮断します。その結果、レーザー治療を局所麻酔のみで安全かつ無痛に近い形で行うことが可能となります 。当クリニックではこのTLA麻酔を駆使し、鎮静剤や全身麻酔を用いない体に優しい治療を実現しています 。高い技術力を要する麻酔法ですが、確立することで患者さんの不安や負担軽減につなげています。

このほかにも、オンライン診療(遠方の患者への事前相談)やAIを活用したチャットボットによる問い合わせ対応など、先進的な取り組みも行われています※。総じて、医療機器の面でも技術の面でも最新のものを取り入れることで、安心・安全で効果的な静脈瘤治療を提供している点が同クリニックの強みです。

(※オンライン診療やAIチャットドクターは補助的なサービスです。主に治療内容に直接関わる機器・技術としては上記のレーザー/RF機器、超音波、麻酔法が中心になります。)

日本静脈学会との関係(専門医の有無)

こうち静脈ケアクリニックには、静脈疾患治療の専門医が在籍しています。その証として、院長の小田医師は日本静脈学会(Japanese Society of Phlebology)において評議員の役職を務めています 。評議員とは学会の運営にも関わる立場であり、静脈治療分野で高い知見と豊富な経験を持つ医師に選出されるものです。また小田院長は日本脈管学会(血管全般の研究学会)の評議員でもあり 、さらに前述のとおり日本外科学会専門医の資格も有しています 。これらは静脈瘤治療の専門性を示す肩書きであり、下肢静脈瘤治療のエキスパート(専門医)が診療を担当していることを裏付けています。実際、同院は日本静脈学会など関連学会とも連携しながら最新の知見に基づく治療を提供しており、学会主催の研究会や講演などを通じて情報発信や技術指導も行っています(小田医師自身がレーザー治療指導医として他院の医師を指導) 。

以上のように、こうち静脈ケアクリニックは下肢静脈瘤の専門クリニックとして最新の治療法(日帰りレーザー・高周波治療等)を提供し、豊富な症例実績と専門資格を持つ医師が治療にあたっています。痛みや負担の少ない先進的な治療を受けられる施設として、高知県内はもちろん全国的にも高い評価を得ています 。

参考文献・情報源: こうち静脈ケアクリニック公式サイト    、ドクターズ・ナビ高知(病院紹介ページ)    、日本静脈学会公式サイトほか.