下肢静脈瘤から大切な足を守るために
足がむくむ、重い、だるい、痛いなどといった下肢静脈瘤の症状を和らげるためにはいろいろな方法があります。
ご自分でできる方法も数多くあります。快適な生活を送れるようしっかりと静脈ケアをしましょう。
下肢の挙上
脚を心臓より高く上げることにより、静脈の血液が心臓に向かって流れやすくなります。座っていたり立つ時間が長い方は、少しでもいいので脚を上げるようにしてみて下さい。
一日のうちで少しでも休ませることは、脚のむくみ改善にとても効果があります。
また夜間は枕などを利用して足を少しだけ上げるようにすると、静脈瘤の症状がよくなります。
圧迫
弾性ストッキングによる圧迫は、静脈の流れを改善してむくみや足の重さ、だるさを改善します。
適切な圧でないと効果がでません。市販のものの中には圧が正確でないものや、サイズが合っていないものもあるので、調子のよくない方は下肢静脈瘤専門の施設であわせてもらってください。
夜間に着用するタイプも有効な場合があります。
運動、
歩行はふくらはぎのポンプを使うのでむくみが軽くなります。定期的な運動を心掛けてください。膝などに問題のある方は、プールの中で関節に負担をかけないようにして運動してください。
水圧が静脈逆流を減らすので、静脈瘤がある方にはプールでの歩行はとても効果的です。
腹式呼吸
腹部には心臓につながる下大静脈という大きな静脈があります。腹式呼吸をすることにより、腹部の中にある静脈の流れが良くなり、心臓への静脈血の還流が良くなります。
その結果、腹式呼吸は脚の静脈の流れを改善します。
脚のむくみの強い人は、腹式呼吸が上手く出来ない場合も多いです。
腹式呼吸をぜひ日常生活に取り入れて下さい。
足の運動
背屈運動
下肢静脈瘤による足のむくみを取るにはこのような足の背屈運動が有効です。あわてて素早く繰り返してしまう方もよく見かけますが、なるべくゆっくりと行う方が効果的です。
足首の悪いかたや足のつりやすい方などは運動の際に十分注意してください。足を挙上して行うとさらに効果的です。
つま先立ち体操
ふくらはぎの筋肉を鍛えることも大切です。
つま先立ちをすることにより、ふくらはぎに筋肉を強くできます。
足の運動をするときは、大きくゆっくりとするとより効果的です。一日20回程度を3セットくらいを目安に行ってください。
漢方
桂枝茯苓丸という漢方が静脈瘤のむくみや痛みなどの症状に有効な場合があります。特に女性の方に有効です。冷え性にも有効ですので、静脈瘤が軽度のかたやレーザー治療後などで少し症状の残る方などは試してみる価値があります。
色素沈着が薄くなったりする効果が見られることもあります。