日本では昨年度より混合医療を解禁するかどうかについて議論が起きています。経済会を中心に解禁希望は多く、医療者側でも希望しているドクターは少なくはありません。ところで混合医療とはどういったものでしょうか?混合医療とは大変難しい概念であり、これに対して正確に答えることのできる方はおそらく非常に少ないのではないかと思いますが、現時点では混合医療は違法となるので、注意をすることが必要です。おそらく多くの方が、あまり意識もせずに混合医療をおこなってしまっている(故意にではなく)状況だと思います。

例えば、最近禁煙指導が保険適応となり、多くの施設で指導が始まったことと思います。これ自体は大変良いことだと思いますが、この指導に使う禁煙パッチが保険適応でないため、禁煙指導を禁煙パッチを使って行うと混合医療となっていしまうと厚労省のほうから先月通知がありました。混合診療は禁止されているので、禁煙パッチを使用すると本来は保険適応であるはずの禁煙指導自体も自費負担となってしまいます。医療側の反響が大きかったようですぐに禁煙パッチは保険適応を認めることになり、禁煙指導が保険診療となって一見落着したようです。なんとなく釈然としない気がしませんか?
実は現実の医療を見渡すとこのような例は枚挙に暇ありません。手技は保険適応があっても、使用する薬剤は保険適応ではないというものは今回の禁煙パッチに当てはめると混合医療になってしまいます。具体な例として、硬化療法の手技は保険適応ですが、静脈瘤の治療に用いられる硬化剤は静脈瘤の硬化療法に対しては保険適応は通っていない(食道静脈瘤の治療の対しては保険適応)ので、厳密にいうと混合医療に当たると解釈できます。実際はほとんどの病院で硬化療法は保険適応で行われているのが現状だと思います。薬の費用を取っても取らなくても混合診療になるというのが厚労省の一般的な見解のようです。

このことについては以前から問題視している先生方もいたようです。確実に保険診療を行うためには硬化剤が早く認可されることしかないようです。このことについてご意見、ご異論がある方ご討論をお待ちしています。
こうち静脈ケアクリニック https://www.venonet.jp

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