不全穿通枝というのは深部(奥)の静脈と表在(表面)の静脈とを結ぶ静脈のことで足に多数存在しています。正常の場合は、表在から深部へ血液は流れていくのですが、この血管の弁が壊れると深部から表在へ血液が流れて(これを不全穿通枝といいます。)静脈瘤の原因となります。
静脈瘤の治療を行う際には、伏在静脈(表面の静脈のこと)の逆流のほかに不全穿通枝もよく調べて治療を行わなければなりません。大きな不全穿通枝を残してしまうと、静脈瘤の再発や皮膚病変の悪化につながるからです。
どの不全穿通枝に治療が必要かというのは実はなかなか難しい問題です。というのも、伏在静脈の治療を行うと不全穿通枝の逆流が改善してしまうことがあるからです。
このことについて、
Eradication of Great Saphenous Vein Reflux Also Eliminates Medial Calf and Ankle Perforator Vein Reflux という論文の中で
表在静脈と瘤切除をするだけで治療後にのこる不全穿通枝は15%だけと報告しています。すなわちかなり重症の静脈瘤のかたでも不全穿通枝は同時に治療がいらないことになります。
現在新しい硬化療法によって大きな不全交通枝の治療を開始しています。治療効果については後ほどご報告いたしたいと思います。
日帰りレーザー治療
こうち静脈ケアクリニック https://www.venonet.jp