エンドレーザー治療
Q1.レーザーはどのように静脈に作用しますか。
A1. レーザーの熱が静脈壁にあたると静脈にダメージを与え、静脈壁を収縮させます。そこに血栓がつくことにより静脈が閉塞します。一旦完全閉塞すると再発の可能性はほとんどありません。
Q2.どうして静脈を閉塞するのですか。
A2.静脈瘤(伏在型)の方は静脈瘤そのものを取ってもすぐに再発します。これは静脈瘤の原因となっている静脈の逆流がそのまま残るからです。ですから逆流のある静脈を閉塞することは原因を直すのでとても重要です。静脈を閉塞すると静脈瘤は縮小します。それでも大きな静脈瘤が残る場合は、硬化療法(注射)を追加すると静脈瘤をきれいに治せます。
Q3. 静脈を閉塞させても大丈夫ですか?
A3. はい。閉塞させる血管は表在静脈といって足の表面近くを走る血管です。その他に深部静脈といった血管があり、静脈血はこの血管を流れるので問題ありません。働きが悪くなった静脈を閉鎖することで血液の逆流がなくなり、血液の流れがスムーズになります。
Q4.エンドレーザー治療の合併症は何ですか?
A4. 重篤な合併症はほとんどなく、安全性の高い術式です。これまでの400例以上の私たちの経験のなかでも重篤なものはありません。
Q5.レーザーは体に危険ではないですか?
A5. 適切に使用すれば危険ではありません。ベノネットではレーザーの取り扱いに習熟した医師により治療を行っていますので、安心して治療を受けていただくことができます。またエンドレーザー治療にかかる時間は3分程度です。レーザー光が直接体外に出ることはありませんが、念のために目にレーザー光が入らないように防御用のサングラスをかけてもらいます。
Q6. 他に体に負担の少ない手術はありますか?
A6. はい、あります。一つは高位結紮術と硬化療法を行う方法です。この方法は低侵襲ですが、確実性に乏しく再発率が高いことが問題です。もう一つはラジオ波を用いた方法で、レーザー治療と同等の効果があります。治療に使うカテーテル自体が高く、まだ日本ではほとんど行われていません。
Q7.エンドレーザー治療はどの程度有効ですか。
A7. レーザー治療の効果は大変高く、当クリニックでは98%以上の成功率を上げています。従来のストリッピング術と比べても、静脈瘤の改善効果に差はありません。良好な長期成績も報告され始めており、今後期待されます。
Q8.エンドレーザー治療は痛みはありますか。
A8. TLAという脂肪吸引のときに使用する局所麻酔を静脈瘤治療用に改良したものを使用しています。手術中の痛みはほとんどありません。軽い静脈麻酔(内視鏡などに使用します。)も一緒に使用しますので、治療中は眠った状態で過ごせます。局所麻酔は不安に思われるかたも大丈夫です。
Q9.エンドレーザー治療後には治療後すぐに仕事ができますか。
A9.翌日からすぐに仕事に復帰できます。週末に治療を受ければ全く仕事を休む必要はありません。
Q10.エンドレーザー治療では切らず治療できますか。
A10.はい、できます。切らないために創部の感染などの心配が全くありません。手術というよりはカテーテル治療といえます。体にやさしい21世紀の治療といえます。
Q11.エンドレーザー治療はどのくらい時間がかかりますか。
A11.治療時間は全部で30ー40分ほどです。治療後はすぐに食事や飲みものが取れます。治療後はすぐに自宅に帰れます。日帰り手術というより、歯医者さんの治療に近い外来治療といえます。
Q12. エンドレーザー治療のほかに静脈瘤に対する日帰り治療はありますか。
A12. はい、局所麻酔下ストリッピングという方法があります。この方法は従来のストリッピング手術と基本的には同じ方法ですが、麻酔方法や手術方法を工夫して日帰り治療を行えるようになっています。実際は入院で行っているところは多いと思われます。ベノネットでは超音波ガイド下の冷却TLA麻酔という方法を開発しており、安心して日帰り治療を受けていただけます。

Q13.静脈瘤の治療は一週間入院が必要と言われましたが、入院しなくて良い方法はありませんか
A13.エンドレーザー治療は入院の必要がありません。忙しい方にお勧めです。どんな治療法をとっても現在では医学的に静脈瘤の治療で3日以上入院して治療する必要はまったくないと思います。入院をしないあるいは短い場合は当然経済的な負担も少なくなります。入院が短いと病院としては収入が少なくなるためにあまり勧めない場合があります。
Q14 レーザー治療でレーザー照射を行う場所を教えください。
A14 治療を必要とするのは、多くは伏在型の静脈瘤の方です。大伏在静脈(太腿の内側)または小伏在静脈(ふくらはぎの中央)の静脈にレーザー照射を行います。距離にすると大伏在静脈で約30-40cm 小伏在静脈で約20cmとなります。
Q15 レーザー照射の後遺症はありますか。
A15 これまでのところ特に後遺症はありません。従来のストリッピング手術に後遺症である神経障害はまったくみられません。
Q16 どのようなタイプの静脈瘤だとエンドレーザー治療で治療できますか。
A16 大伏在静脈 小伏在静脈といった表在静脈の逆流が原因で静脈瘤になっている方はエンドレーザー法で治療できます。深部静脈(体の奥の静脈)が原因の方はこの治療法では治療できません。側枝型や網の目状、クモの巣状といった軽い静脈瘤のかたは硬化療法や表在レーザー(皮膚の上からレーザーを照射する)方法が有効です。
Q17 エンドレーザー治療後の皮下出血はどれくらいで治りますか。
A17 エンドレーザー後の皮下出血はだいたい1-2週間で自然に消えていきます。かならず消えていきますので心配はいりません。
Q18 足に赤くて細い血管がたくさんあります。エンドレーザ―治療がうけられますか?
A18クモの巣状タイプの静脈瘤だと思われます。症状はないことがほとんどですので、そのまま放置してもかまいませんが、気になるようでしたら30Gの針を使った硬化療法または表在レーザーにて治療は可能です。一般的にエンドレーザー法は適応ではありません。
Q19エンドレーザーで表在静脈を閉塞しても大丈夫ですか。
A20 表在静脈をレーザーで閉塞して大丈夫かといった疑問を持たれるかたがいます。足には表在静脈のほかに足の奥に深部静脈という太い静脈があります。表在静脈を閉塞すると静脈血は深部静脈の方を流れ心臓まで還流しますので全く心配ありません。静脈瘤の手術前に深部静脈が開存していることを超音波検査などで確認することが重要です。
Q21エンドレーザー法では静脈瘤の再発はありませんか。
A21エンドレーザー法は新しい治療法であり長期的なデータはありません。私たちの経験では一年以上経過した症例を見てみますとエンドレーザーによる治療を行った静脈は時間が経つにつれて急速に小さくなっていき6ヶ月から1年経てばほとんど超音波では見えなくなります。このことからエンドレーザーによる治療が初期成功した場合(現在のところ98%)長期的に治療した血管の原因による静脈瘤の再発の可能性はきわめて低いと思われます。
Q22 2年前にストリッピング手術を受け、静脈瘤は一旦良くなったのですが、最近足のかゆみがひどくなってきました。静脈瘤は治ったはずなのに何か他の病気でしょうか。
A22 ストリッピング手術で表在静脈の逆流は良くなっているはずなので、深部静脈の逆流が疑われます。早めに静脈逆流の検査を受ける必要があります。
Q23 足の血栓性静脈炎を起こしてしまい、静脈瘤の治療を受けるようにいわれましたが、エンドレーザー法を受けてもかまわないでしょうか。
A23エンドレーザー法は血栓性静脈炎の急性期でなければ受けてかまいません。急性期(痛みが強く血栓化傾向が強いようであれば少し待って状態が安定してから受けた方がよいでしょう。
いろいろな質問
Q1硬化療法は何回受ければよいでしょうか。
A1静脈瘤の程度や範囲によって必要な回数は違います。また一旦完全に治っても静脈瘤はまた別の場所にできる可能性もあります。静脈瘤の治療は一回すればそれで一生治療が必要ないというものではなく、長期間(数年ー20年ぐらい)のうちには加齢に伴い(たとえばシミやしわが増えてくるように)新しい静脈瘤ができてくるかもしれません。大きくなってしまうと硬化療法といった簡単な方法ではなかなか治療できなくなります。定期的な検診と早目の追加処置(ほとんどが硬化療法)による足のメンテナンスが静脈瘤の治療においては重要です。
Q2 足に静脈瘤がある28歳の女性です。妊娠後に静脈瘤が悪化することがあると聞いたのですが、妊娠する前に治療をしておいた方がよいのでしょうか。
A2 静脈瘤が妊娠出産で悪化することは知られています。妊娠中には悪化しますが、出産後次第に軽快することが多く見られますのであまり心配なさらなくても良いと思います。症状がひどくなければ妊娠前に治療を受ける必要はありません。妊娠中はマターニティ用のストッキングをはいて適度に運動して下肢の静脈還流を改善しましょう。出産後も静脈瘤の改善が認められなければ一度専門医の診断を受けましょう。
Q3 下肢静脈瘤で足を切断しなければならない場合はありますか。
A3 静脈瘤が原因で下肢を切断することはまずありません。足の切断が必要となるのは静脈の病気ではなく動脈の血行障害です。
Q4 下肢静脈瘤が破れて出血することはありますか。
A4 静脈瘤からの出血はまれです。事故などの外傷や強くぶつけたときなどで起きる危険性はあります。また皮膚に潰瘍のある方は出血を起こしやすくなります。出血をした場合は出血している場所をしっかりと押さえてと多くは出血をコントロールできます。すぐに医師の診察を受けてください。
Q5 下肢静脈瘤の手術で動脈を傷つけ修復するためにそけい部に大きな切開創ができたと言われました。静脈瘤の手術で動脈を損傷することはあるのでしょうか。
A5 静脈瘤の手術で大きな動脈を傷つける可能性はほとんどありません。径が2mmぐらいの小さいものが静脈を横切っていることがあり、損傷することはあり得ますが、注意して手術を行えば全く問題がありません。
日帰りレーザー治療
こうち静脈ケアクリニック https://www.venonet.jp

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