診察に来られた方から、静脈瘤をどこで見てもらえばいいのかわからなかったとよく聞きます。

最近はテレビや新聞、雑誌等で下肢静脈瘤という病気を目にすることも多くなりました。大量のCMを行っているところも見られますが、医療の場合、患者側と医療側の情報格差が大きいため、ついよく調べずに受診することがありがちです。またインターネットでも大量の情報がありますが、なかなか信頼できるものは少ないと思われます。

典型的な静脈瘤の方であれば、診断や治療方法に大きな差が生じることは基本的にはないと思われます。ただし、典型的でない静脈瘤の方も多くその場合、診断を受ける医師によって診断結果が異なってしまい、治療方針も変わる可能性があります。

では、治療をうけるためにはどんなことに注意する必要があるのでしょうか?

  • かかりつけあるいは信頼できる医師に尋ねてみる(医師の自分の専門外のことだと意外と知らないので、注意してください)
  • 治療を受けた患者さんから直接話を聞いてみる
  • 大量のCMを行っているところは用心する
  • 医師や職員の態度が悪いところは避ける
  • 治療数をやたら強調するところは避ける
  • 多種類の検査をしているところは避ける(いい治療を受けるために本当に必要なのは丁寧なエコー検査だけです)
  • 費用が高額のところは避ける(保険診療の場合、腕のいいところほど費用はかかりません)
  • 全身麻酔のところは避ける(局所麻酔でできる治療です。眠れる静脈麻酔を使うところがありますがこれは全身麻酔ではありません。)
  • 口コミサイトは参考程度に(あまりひどい評価のところは避けるように)
  • 静脈瘤の治療を始めたばかりの病院やクリニックはしばらく様子をみる

 

私のもとにも、他クリニックで治療した後の再治療の依頼が絶えません。多くの場合、治療が不完全なことが多いのですが、中には不十分な知識や経験のまま治療が行われていることもみかけます。やり直すことができないかたもいますので、治療を受ける際には十分な注意が必要です。
またレーザー治療は新しい方法ですので、治療方法に本当に習熟している医師はまだそれほど多くはありません。
治療実績については、治療数は一つの目安になりますが、治療を行っている年数や専門分野(血管外科、心臓血管外科、外科、放射線科など)なども必ず参考にしたほうがいいと思います。

静脈瘤は全身の循環に関係しているので循環器の知識を持つ医師のほうがより正確でいい治療を行うことができる可能性が高いと思います。

またレーザー治療の際の麻酔方法も治療を受ける病院で変わりますので注意が必要です。

レーザー治療は局所麻酔だけで安全に治療ができますが、全身麻酔、静脈麻酔など他の麻酔を併用しているところも多いのが現状です。こういった麻酔法は基本的には麻酔科の管理下で行われるべき方法であり、安易な使用はレーザー治療の安全性を損ねる可能性があります。
海外の下肢静脈瘤専門施設では局所麻酔によるレーザー治療が一般的であり、日本においてもレーザー治療に習熟している医師は局所麻酔の治療を行っています。

正しい医療情報を集めることは努力がいりますが、いい医療を受けるためには必要です。頑張って情報を集めましょう。

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