エンドレーザー法に用いられるレーザ―は最近その種類が日本でも次第に増えています。半導体レーザーやヤグレーザーなどがありますが、どのレーザーが最も治療効果が良いのかは現時点では分かっていません。治療成績が極端に良くなるような情報も見かけますが、いつも本当かなと思っています。私も現在半導体とパルスヤグの両方を使用していますが、どちらも治療成績や術後の経過はよく、それぞれに特徴があり大きな違いは感じません。
 
 ところで静脈瘤の治療を行ううえで一番重要なものは逆流のある静脈の閉塞効果ですが、これについては半導体レーザーの3年の中期成績が発表されています。その報告によると再疎通した不成功例はすべて最初の6ヶ月以内に再疎通が発生しています。このことは何を意味するのかといいますと、初回の治療が不十分な症例が再疎通しているということです。治療のときに十分な照射をおこなっていないと再発の危険性が高くなります。またあまり閉塞を意識しすぎて強く照射すると術後の痛みや皮下出血がひどくなってしまいます。初期のころは完全な閉塞に必要なエネルギーがよくわからまかったために、術後の痛みが強い事が見られました。 
 最近では、初期の約10分の1程度の出力でほぼ100%の閉塞率が得られています。このあたりのバランスを上手く取ることが治療成績の向上のカギを握っています。レーザー治療というとなんとなく一定の調子で治療すれば簡単に閉塞できるといった誤った感覚にとらわれやすくなります。どんな治療でもいえることですが、丁寧に治療をおこなうことで治療成績は大きく変わります。
 
 私たちも過去3年間レーザー治療の成績向上のために日々努力をしてきました。400例を超える頃より治療成績の一段の向上が得られており、最近ではほぼ100%の閉塞率、術後の痛みも随分と少なくなっています。レーザ―の特性を理解してレーザ―の扱いに習熟することで治療成績の向上と術後の合併症の軽減は可能です。どのようなレーザーを用いてもレーザ―治療はあまり大きい静脈には治療効果が不十分であったり、治療後の痛みが強かったりしがちです。
 
 私たちは治療の幅を広げるために、新しいレーザ―を用いた基礎的研究を医学部と工学部の共同で進めています。新しいレーザー治療の臨床的検討もすでに始めています。静脈を抜去するストリッピング手術は100年以上前から行われており,静脈瘤を治療する場合のゴールドスタンダードとされていますが、最近のレーザ―治療は細心の注意を払って行えば、治療効果そのものもストリッピング術に匹敵するものと思えるようになりました。静脈の治療範囲は従来の手術療法より更に広い範囲に行えるため、症例によっては手術より更に治療効果が高くなる可能性もあるため、近い将来、手術療法に完全に取ってかわるかもしれません。
 
 残念ながら現時点では保険適応ではありません。半導体レーザーはコスト面で非常に優れており、保険適応となる可能性も含めて、研究を続けています。一部のかただけではなくできるだけ多くの方に受けていただけるよう今後も保険適応可能なレーザ―の開発に努めて行きたいと思います。
日帰りレーザー治療
ベノネット血管クリニック http://www.venonet.jp
べノネット 足の静脈瘤相談室
http://www.k3.dion.ne.jp/~venonet/